2017年7月28日金曜日

ロシアより愛をこめて:シリアのAK-74M





































著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

AK-74Mは現在、シリアを支配するべく戦っている様々な勢力に使用されているアサルトライフルの中で、最も人気のある銃としてその地位を徐々に得ている。
もともと、AK-74Mはシリアではわずかな数量しか導入されていなかったが、最近の供与が内戦で疲弊したこの国で、この銃の存在の確固たる存在を確実なものにした。
AK-74Mは、シリア・アラブ軍共和国防衛隊だけでなく、国の支配するべく戦っている他のさまざまな勢力にも人気がある。

シリアは90年代の後半に最初のAK-74Mを導入したが、極めて少数に留まった。
この最初のバッチは、ソ連の崩壊のためにロシアとの軍事・技術協力が減少した後で、その関係が再開した後の1996年にロシアと取り決めた取引の一部だったと考えられている。

この取引では、 小火器、対戦車ミサイル、暗視装置や既にシリアで使用されている兵器の弾薬といった豊富な幅の供与が想定された。
その供与パッケージには大量のAKS-74U、少数のAK-74MやRPG-29RPG-7用のPG-7VR弾頭だけでなく、9M113Mコンクールス対戦車ミサイル、さらにはその当時の時点で改修されたばかりであったT-55MV用の9M117Mバスチオン砲発射式ミサイルも含まれていた。

シリア側による価格の引き下げと将来の購入に関する支払い計画の延長の要求に対する意見の不一致とロシアへの負債は、両国の深刻な関係の衰退につながった。
それにもかかわらず、発注した兵器の大半は最終的にシリアに引き渡された。

















AK-74Mが最初に姿を見せたのは、2000年にダマスカスの国民進歩戦線(NPF)本部の前で警備兵が携行している姿を目撃された時だ。
このAK-74Mは最初の納入バッチのものであり、AKS-74Uと共に、主に特殊部隊や重要度の高い場所を警護する要員に支給された。
AK-74Mの量は、依然として広範囲にわたる支給を可能にするには少なすぎた。

2度目のAK-74Mを取得しようとする(今回はより野心的な規模の)試みは、シリア内戦に至るまでの数年間に行われた。
この間に、シリア・アラブ陸軍(SyAA)は歩兵部隊の一部の防護力と火力を向上させることを目的とした野心的な近代化計画を始動した。










SyAAは2008年にこの将来の兵士近代化計画の一環として2種類のアサルトライフル、5.45×39mm弾を使用するAK-74Mと5.56×45mm弾を使用するイラン製のKH-2002「ハイバル」をそれぞれ試験した。
この目的のために、イラン防衛産業機構(IDIOまたはDIO)は10丁のKH-2002を担当者と共にシリアへ送り込んだ。

テスト中に10丁のKH-2002のうち2丁以外は全て故障し、恥じているイランの代表者をだしにしてシリア側からの含み笑いをもたらした。 
当然のことながら、このようにしてAK-74Mは「トライアル」の勝者となった。

ウルグアイのKH-2002に対する関心も消えた後で、この銃の計画は2012年に中止された。
輸出注文を引き付けることに失敗し、イラン陸軍がこのライフルを購入することに興味がないことは、この計画はイランにおけるオリジナルのアサルトライフルを設計して生産する数少ない真剣な試みの1つに終わる運命となった。





近代化計画には2種類の「新しい」迷彩パターンの製造も見られており、双方とも、ヒズボラの戦闘員によっても着用されている米国のM81ウッドランド・パターンの正確なコピーだ。
その上、大量の防弾チョッキとヘルメットを中国に発注して引き渡しを受け、不明な供給国から限られた数の特殊部隊用の暗視装置も受領した。
下の画像の兵士は、最終製品(注:納品された装備)がどのように見えるのかを示している。
ここで留意するべき点として、彼のAK-74Mにはアルファ-7115レーザー・ナイト照準器とGP-30Mアンダーバレル式グレネード・ランチャーが装着されている。























ロシアがアサド政権の忠実で信頼できる支援者であることを引き続き証明しており、内戦は明らかにロシアが小火器から戦車、多連想ロケット発射機やさらにはシリア空軍 (SyAAF)のためのスペアパーツでさえ供給し続けることを妨げる機能を果たしてはいないことが分かる。決して予想外のことではなかったが、AK-74Mのいくつかの大量のバッチも、過去数年間にシリア行きのロシア海軍のロプーチャ級揚陸艦に積載された姿が発見された。











シリアに到着した後、これらのバッチはSyAA内でAK-74Mの広範囲にわたる支給と、より少ない程度で共和国防衛隊への支給も可能にした。
レバノンの闇市場経由で西側の銃器や斡旋されたAKも入手可能であるが、国民防衛軍(NDF)は未だに古いAK-4756式AKMで間に合わせている。
共和国防衛隊の第104旅団は司令官であるイサーム・ザフルッディーン准将のもと、イスラミック・ステート(IS)の戦闘員を相手にするためにデリゾールに向かう際、かなりの量のAK-74MとAKS-74Uを受け取った。











AK-74Mは、デリゾールでイサーム・ザフルッディーン准将の護衛を務めるサクル・アル=ハラス(下の画像の左。右はイサーム・ザフルッディーン准将)の選り抜きの武器でもある。
ザフルッディーン准将が個人的に使用する銃はAKS-74Uだが、AK-74Mも何度も使用している姿が見られている。

ISはシリアを支配するために戦っている勢力の中で最大のAK-74M運用者だ。
意外なことに、主に見られる捕獲されたM16とM4カービンがイラクからシリアに移されるという通常の武器の流れに反して、非常に多くのAK-74MもイラクのIS戦闘員と共に行き着いた。














AK-74M自体は近代化されたAK-74の派生型であり、1991年に生産に入った。
同銃はAK-74と比較して使用者により高い汎用性を与えるだけでなく、より軽くて新しいプラスチック製の横折りたたみ式銃床も特徴としている。
これは、典型的な下折りたたみ式銃床を使用する、それ以前のAKSやAKMSとは対照的だ。
















様々な種類のロシア製の光学機器をAK-74Mに取り付けることが可能であり、より正確な照準を確実にする。
これらの照準器は、レシーバーの左側にある標準の取り付け用レールにフィットしている。
シリアでは、このような照準器を装備したAK-74Mは標準的なアイアンサイトを使用するAK-74Mよりも一般的だ。

過去数年間にシリアが受領した光学照準器とアンダーバレル式グレネードランチャーの数は、数多くのAK-47、56式とAKMにも装備することができるほどに十分な量だった。















多くのAK-74Mには、NSPU暗視装置も装備されていた。
シリアでは限られた数のこのような暗視装置が使用できたので、内戦の過程の至る所で散発的な使用が見られた。


AK-74Mには、単発の40mmアンダーバレル式グレネードランチャーを装備することも可能であり、GP-25GP-30Mの2種類が現在までにSyAAによって導入されている。
前者は旧世代のライフルでの使用を対象としたものだが、後者はAK-74MやAK-103のようなより最新のアサルトライフル用に設計されている。
GP-30Mは100mから400mまでの範囲の目標を攻撃することができ、破片榴弾と発煙弾を発射することが可能だ(注:そのほかに焼夷弾やサーモバリック弾もある)。 このグレネードランチャーは象限儀式照準器で照準される。




AK-74M――このライフルはシリアの戦場で非常に恐れられ、そして愛されており、平和が今までよりもさらに遠ざかったと思われる今、この内戦の過程で大きな役割を果たし続けるに違いない。








 




























※ この翻訳元の記事は、2015年2月17日に投稿されたものです。
  当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
  正確な表現などについては、元記事をご一読願います。 
 
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