2017年8月11日金曜日

4年にわたる内戦の成果:第4機甲師団の装甲強化計画


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

T-72AV及びBMP-2へのスラット・アーマーと空間装甲を用いた部分的な実験に続いて、第4機甲師団は2014年の夏に装甲強化に関する小規模な改修計画を開始した。
数両のT-72M1とブルドーザーを増加装甲で改修した後、現在(2015年時点)、第4機甲師団は同じ方法で改修されたZSU-23-4「シルカ」自走式対空機関砲(SPAAG)も少なくとも1両を運用している。

この計画の目的は、金属製のチェーンでさらに強化されたスラット・アーマー及び空間装甲から成る増加装甲を追加することによってAFVの生存性の確率を向上させることにあった。
全体的に見て、それは通常のRPG弾頭に対して360度にわたる範囲で優れた防御力を備えるものだ。
しかしながら、RPG-29M79オサや後の世代のRPG-7の弾頭(注:PG-7VRタンデム弾頭など)のような強化されたRPGは、そのような装甲を侵徹することについて問題が少ない。

この計画の一環として改修された最初の車両は数量のT-72M1であり、その後、新しい装甲パッケージの実際の戦闘力をテストするためにジョバルに配備された。
これらの最初の作戦では、改修されたT-72M1のうちの1両がスタックしてその後に乗員によって放棄され、さらに別の車両がジョバルに入った後に完全に破壊されたために、この試験を成功に終わらせることができなかった:これが野心的な計画の悲劇的なスタートとなった。[1] [2]

しかし、この状況は第4機甲師団が改修計画を推し進めることを阻んでおらず、改修された数両のT-72M1はその後もジョバルや東ゴータ、さらにはアレッポの部隊に従事し続けた。
この改修を担当する工場はダマスカス北部のアドラにある。














同工場で開発・製造された同様の装甲パッケージは、第4機甲師団で使用されるブルドーザーにも適用された。

そのブルドーザーは、ダマスカスと東ゴータの近隣で行われている攻勢のほとんどで重要な地位を獲得した。
そこでは、 それらが兵士を最前線に輸送し、障害物を除去し、歩兵や戦車を防護するための砂の障壁を高め、地雷原と思しき地点をクリアにするために使用されている。
彼らが装甲パッケージの無い状態でこれらを運用していたとき、局所的なDIY装甲を装備していたとしても、反政府軍の対戦車チームや対物ライフル、さらには機関銃の射撃の簡単な餌食となっていた。

小さな工場の違いや軽微な戦場での改修以外にも、2つのバリエーションが存在することが知られている。


これらのバリエーションは、装甲パッケージの設計と製造がいかにして時間の経過とともに進歩してきたのかを明確に示している。
下の車両はジョバルで活動しており、そこでは主に兵士の輸送や地雷原の処理に使用された。

その車両は2014年12月の後半、おそらく地雷原を処理しようとしている際に、ラフマン軍団としても知られているフェイラク・アル・ラフマンの戦闘員によって野外で捕獲された後に破壊された。
そのブルドーザーはRPG-7と対物ライフルによる複数の命中弾を受けた後にやっと停止した。
その後、ラフマン軍団の戦闘員は放棄されたブルドーザーへ至るトンネルを掘り、車両の回収を妨害するため、その下に梱包爆薬を置いた。
続いて起こった爆発は車体を破壊して炎上し、将来の再使用を不可能にした。


次に装甲の改修を受ける車両としてZSU-23-4が選ばれた。
ダラヤで得られた戦歴では、ほとんどの場合においてT-72では狙うことのできない、アパートや共同住宅といった高所に位置する反政府軍と交戦可能な車両が必要であることを示した。

過去における数ヶ国の先例に続いて、シリアは戦車や歩兵を支援するためにZSU-23-4の大部隊の投入を開始した。
この役割においてシルカの最大の弱点となるのは貧弱な装甲だ。
本来、シルカはヨーロッパ平野で戦車や歩兵戦闘車(IFV)の後方で航空機やヘリコプターと交戦するような運用を想定して設計されており、その装甲は敵の隠れ家に接近して交戦することに適しているとは程遠い。
シェイフ・マスキン近郊における第82旅団に所属していた車両の最近の映像は、この事実を非情に思い出させるものとして役立つ。[3]

装甲パッケージの装着は小火器とRPGの射撃に対するシルカの脆弱性に大きく対処し、車両が以前よりも近接な戦闘での火力支援を可能にした。
非常に高い射撃速度で、大口径を有し、あらゆる潜在的な目標をカバーする仰角と射撃範囲で、それは完璧に理想的な都市制圧型支援車両:シリアの戦場で4年近くにわたって作り上げられた過酷な環境に完全に適応した戦闘マシーンとなった。









T-72M1の正面にある金属製のチェーンがRPGの弾等を止めることが不可能と判明した後、改修されたT-72M1のほとんどはチェーンが増加式の空間装甲や単なる金属の断片に置き換えられた。
これらの改修はT-72の運用地域で行われており、装甲パッケージを担当する工場が不思議なことに、正面に金属製のチェーンを付けたT-72用にそれを未だに製造している。

紛争が活発になって以来、様々な種類の装備の長所や弱点に関する無数の戦闘報告が提供されるため、改良された装甲に続く派生型がこれらの問題に対処し、ますます有効なものになる可能性が高い。





ジョバルで改修されたT-72M1のうちの2両が破壊された後、装甲パッケージの戦闘力は最小限に抑えられたと考えられていた。
しかし、これは決して新しい装甲の実際の戦闘能力を表すものではない。
新しい装甲パッケージが乗員に無敵の感覚を与えて乗員が通常より大きなリスクを負うことにつながり、そして車両が破壊される結果をもたらす可能性がある(注:大胆な行動をとりやすくなるために撃破される率が高まるということ)。
東ゴータからの1枚の画像は戦闘においてその有効性を確認でき、改修されたT-72M1は何発かのRPGの命中を受けた後も無傷のままだ。

実際に未知の対戦車兵器の打撃を受けたこの一例では装甲パッケージの良い面と不都合な面に関して全く論証できないことが明らかだが、第4機甲師団が重要な資源をそれに割り当てることをついて十分に有効性があると判断していることは明らかだ。

これらの車両で行われた改修は、第4機甲師団がまだ息切れを起こしていないことを証明している。
ステレオ式測遠機の位置のためにT-72「ウラル」ではこの装甲パッケージの装着は不可能だが、同じ方法でますます多くのAFVが改修されることが予想される。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年1月30日に投稿されたものです。
    当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

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